艦種別リスト > 伊13
基本情報 †
プロフィール |
 | 名前 | 伊13 IJN I13 |
レアリティ | SSR |
艦種 | 潜水空母 |
陣営 | 重桜 |
建造時間 | 00:34:00 |
CV | 柳原かなこ |
イラスト | 阿米巴原虫 |
耐久 | D | 火力 | D |
雷装 | A | 回避 | D |
対空 | E | 航空 | B |
速力 | 13 |
SD |  |
自己紹介 |
あたしは伊十三型、改めて巡潜甲型改二の伊13よ。 伊九型の五番艦と言われたこともあるけど、本当は晴嵐を搭載できるようにその改良型として設計変更されたの。 なんかすごそうに聞こえない?実際はあまり役に立てなかったけどね…… |
入手方法 |
期間限定建造(2019.3.28-2019.4.18) 特型艦建造(2020/07/02〜) |
ステータス(MIN/MAX) |
耐久 | 428 | 2214 | 装甲 | 軽装甲 | 装填 | 40 | 94 |
火力 | 9 | 43 | 雷装 | 99 | 467 | 回避 | 7 | 18 |
対空 | 0 | 0 | 航空 | 47 | 220 | 消費 | 2 | 7 |
潜航力 | 198 | 弾薬量 | 2 | 支援Lv | 1 | 2 |
運 | 20 | |
スキル名 | 効果 |
 | 彩雲を呼ぶ光 | 戦場に到達した時、偵察機彩雲を1機発艦させ、10秒間味方主力艦の与えるダメージが5.0%(MAX10.0%)アップ |
 | 酸素生成装置 | 自身の潜行力が4(MAX40)アップ |
 | 特殊弾幕-伊13 | 戦闘開始時、特殊弾幕伊-13I(II)を発動する |
上限突破 |
初段 | 特殊弾幕スキル習得/魚雷補正+5% |
二段 | 魚雷装填数+1/水上機数+1/支援範囲拡大 |
三段 | 特殊弾幕強化/魚雷補正+5% |
特殊弾幕-伊13 | 特殊弾幕スキル |
 | - |
大陸版wikiのページ:https://wiki.biligame.com/blhx/%E4%BC%8A13
MAXステータス †
LV120好感度200 |
耐久 | 装甲 | 装填 |
2808 | 軽装甲 | 115 |
火力 | 雷装 | 回避 |
53 | 543 | 39 |
対空 | 航空 | 消費 |
0 | 267 | 7 |
潜航力 | 弾薬量 | |
198 | 2 | |
LV125好感度200 |
耐久 | 装甲 | 装填 |
2876 | 軽装甲 | 116 |
火力 | 雷装 | 回避 |
53 | 549 | 40 |
対空 | 航空 | 消費 |
0 | 270 | 7 |
潜航力 | 弾薬量 | |
198 | 2 | |
ボイス †
+
入手時 | はじめまして指揮官、あたしは潜水空母伊13、趣味はお空を眺めるのと、飛行機のこと!そしてこのコは友達の「晴嵐」。よろしく〜 |
ログイン | おかえり指揮官、今日もお空はあおーい |
詳細確認 | 指揮官、潜水艦だけではできることは限られてるよ?戦局を変えるには、やっぱり航空戦力が大事だからね |
メイン1 | 指揮官、勘違いしないでよね。あたしは飛行機が好きだからって、潜水艦である自分のことを嫌ったりはしないよ? |
メイン2 | 海の色は空の色、空の色は…あたしと同じ色ね〜 |
メイン3 | 九七、九九、彗星、天山、流星、彩雲、そしてあたしの晴嵐……飛行機のことなら全部知ってるの〜 |
タッチ | 指揮官、晴嵐を貸してもいいけど、このコはとーーっても高いからね?壊したら怒るからね? |
タッチ2 | 指揮官、晴嵐の機銃で狙っちゃうよ? |
任務 | 指揮官、任務、確認を忘れないでね? |
任務完了 | 指揮官、晴嵐が任務報酬を運んできたよ |
メール | 指揮官、晴嵐がメールを運んできたよ |
母港帰還 | 指揮官、作戦おつかれさまー |
委託完了 | 指揮官、委託が完了する時間だよ? |
強化成功 | もっと強くなったら、晴嵐を何機も載せられるのかな… |
戦闘開始 | がんばるー |
勝利 | この勝利はほかの艦隊の手助けになったね |
失敗 | やっぱり潜水艦だけじゃ無理よね…… |
スキル | これが…あたしのできるすべて――! |
損傷大 | これが潜水艦の限界ね…… |
▼好感度系 |
失望 | 指揮官もわかってくれないんだね…… |
知り合い | あたしの部屋にようこそ。指揮官。ここには飛行機の本がいっぱいあるから、適当に手に取って読んでいいよ。あっ、棚の飛行機の模型を取るときは気をつけてね |
友好 | 指揮官もあたしのことを変だと思うの…?ふふふ、しょうがない――指揮官?潜水艦ってのは能力に限界があるんだよ…あたしの短いカンレキで学んだことは…… |
好き | 指揮官のおかげで、空母のみんなの艦載機ともっと近づくことができた。あたしにとって、これが一番幸せなことなの。指揮官、ありがと〜 |
ラブ | 指揮官はいろいろしてくれたから、あたしにも指揮官のためになにかやらせてほしいの。なんでもいいよ?指揮官があたしをサポートしてくれるように、あたしも指揮官の力になりたいから! |
ケッコン | ……ヘルキャット?アベンジャー?ハリケーン?そして他の艦載機たち……全部あたしのためにわざわざ借りてきてくれたの?……もう指揮官、ダメなの…指揮官のことが好きすぎて変になっちゃうじゃないの……(涙 |
ゲームにおいて †
重桜SSR潜水空母。2019年3月末開催の復刻イベント「墨染まりし鋼の桜」にて実装された。同イベント中の期間限定建造でのみ入手可能だった。
潜水空母という艦種はこの艦が初で、潜水艦(非水上艦)というくくりで見ても新規の追加はアルバコア以来半年振りのこと。
性能 †
火力・雷装・航空・装填の数値を併せ持つ珍しい艦。
雷装は突出した数値ではなく、重桜SR潜水艦と同程度。一方耐久力が高く、シュルクーフに匹敵する強靭さ。
潜航力は並だがスキルで伸ばせるため、水中水上を問わず粘り強く生存してくれるだろう。
潜水空母ということで、ちょっとした軽空母並みの航空値を持ち航空攻撃が可能。空母と違って弾消しができない点には注意。
水上機発進は呼び出した際と撤退時の2回。装填時間は無関係の模様。魚雷と違い円形の範囲攻撃をできる。晴嵐装備時はダメージ+60%と大きく上昇する。
通商破壊においては戦闘開始時に1回のみ発動する。旗艦の場合は開始直後に、そうでない場合は10秒程遅れて発動する。
また爆撃型の艦載機全てに当てはまるが、敵の直上まで進んでから攻撃するため13章の防空艦に対して非常に弱い。呼び出すタイミングはよく見計らおう。
なお制空値もしっかり持っており、仕様上潜水艦隊に入れておくだけで制空の仕事もしてくれる。数値そのものは大きくないので過信は禁物。
スキルは主力艦の与ダメージを高める火力支援型。
呼び出し時には水上機発艦、到達後は自身の特殊弾幕もあるため、スキルと相まって艦隊の瞬間火力は爆発的なものになるだろう。
呼び出してから到達して魚雷を撃ち始めるまでは他の潜水艦よりも遅く、間が開いてしまう事には注意。
支援範囲は四方にバランス良く広がり、潜水艦隊の旗艦にも向いている。
指揮官の間でネタになっているLV1〜3の支援範囲の形状は俗語集の「止まるんじゃねぇぞ」を参照。
スキル †
- 「彩雲を呼ぶ光」
戦場到達時に発動し、主力艦の与ダメージを伸ばすバフスキル。。
彼女が到着した直後、一斉攻撃で畳みかけると良い。1戦闘で1度きりのためタイミングはしっかり考慮すること。
戦艦主砲や艦載機発進のほか、弾幕スキルの発動タイミングに合わせる手もある。
なお発動時、文字通り彩雲が呼び出されるが、もし撃墜されてしまってもそこで効果が途切れることはない。
- 「酸素生成装置」
自身の潜航時間を延長するスキル。
元々の潜航力は高いとは言い難いが、このスキルによりユニオン潜水艦と同程度まで改善する。最大レベルまで強化し、改良型シュノーケルの補強を合わせれば(Mark16の2巡目撃ち切りに間に合い、装填次第で3巡目攻撃も視野に入るようになる。
- 「特殊弾幕-伊13」
まず5発の魚雷を扇状に、続いて8発の魚雷を2列の直線状に発射する特殊弾幕。
計13の発射数は、アルバコアの12発を抑えて潜水艦トップ。
魚雷一本当たりの威力もアルバコアより高く、弾幕総威力はSSR潜水艦の中でもずば抜けて高い。
オススメ装備/編成 †
高い潜航力を活かして3巡目を狙うか、2巡目までのダメージ追求かの方向性を決めたうえで装備を選ぶとよい。使用する魚雷の照準範囲に配慮しながら設備を選ぶ必要がある。
魚雷 †
画像 | 装備名 | 備考 |
 | 潜水艦用Mark16魚雷T3 | 2巡で最大ダメージを狙う場合に。攻撃速度が遅く、照準範囲50は微妙に足りない時もあるため、改良型シュノーケルの潜航力UPと強化耐圧殻設計案の攻撃位置前進で補う。 |
 | 潜水艦用Mark20(S)魚雷 -Bidder- | 2巡狙いで微弱でも誘導性能が欲しいときに。軽装甲と重装甲に対する対甲倍率が他魚雷より10%下がっている点に注意。攻撃速度はMark16より多少マシ程度で照準範囲は50なので、設備はシュノーケルと耐圧殻でほぼ固定。 |
 | 潜水艦用九五式酸素魚雷T3 | 攻撃速度の速さを活かして3巡目の攻撃を狙える。照準範囲も60あるため耐圧殻が不要となる。設備は酸素魚雷+シュノーケルを載せよう。 |
 | 潜水艦用九五式酸素魚雷改 | 95式の上位版で、兵装開発限定。使い方は同じ。これ2本と酸素魚雷の作成や強化に必要となるパーツや資金の量を考えると、敷居が高い。 |
 | 潜水艦用G7e音響追跡魚雷T3 | 同じく3巡目の攻撃を狙うときに。強力な誘導性能を持ち、命中に期待しやすい魚雷。攻撃速度は速いが照準範囲は50なため、耐圧殻を併用したい。シュノーケルを外すと3巡目は狙えないため、酸素魚雷を載せたいなら耐圧殻と引き換えになる。 |
水上機 †
画像 | 装備名 | 備考 |
 | 晴嵐 | コアショップ、兵装開発限定。潜水空母に装備されている場合、与える航空ダメージが60%アップ。本艦を運用の際は優先して交換しよう。 |
 | 瑞雲 | 晴嵐にはやや見劣りするが、手に入るまではこちらで凌ごう。 |
設備 †
画像 | 装備名 | 備考 |
 | 改良型シュノーケル | 潜航力を高め、戦闘可能時間を延ばす装備。スキルで潜水時間を大幅に増加できるため、シュノーケルと合わせれば3巡目攻撃を狙える。 虹魚雷を装備して3巡目攻撃を狙うときは潜航力を330程度に持っていきたい。 |
 | 強化耐圧殻設計案 | 攻撃開始位置を前進させる設備。前に出る分敵との距離が縮まるため、魚雷の照準範囲を補える。 |
 | 九三式酸素魚雷 | 雷装を高めメインウェポンである魚雷の威力を上げる。 |
編成 †
支援範囲や特殊弾幕の性質から潜水艦隊旗艦向け。スキルを活かすため、水上艦隊主力には高火力な艦を据えよう。
重桜陣営の潜水艦で統一すれば「〇〇参謀・重桜」持ちのオフニャが使いやすくなる。
また通商破壊艦隊にも向いている。航空攻撃で第一波の駆逐艦を撃破できたり、特殊弾幕がボスに有効だったりと便利。
キャラクター †
水上攻撃機「晴嵐」を搭載可能な、巡潜甲型改二とも言われる潜水空母。
潜水艦でありながら、飛行機が好きで、碧き海と青き空に憧れる女の子。
「でも別に潜水艦であることを嫌っていないよ…?」
――公式Twitter紹介
上記の紹介のように飛行機にこだわる潜水艦という少し変わった子。一人称は「あたし」。
その実態は極秘計画のために改造された新鋭艦であり、水上機を折り畳んで搭載する潜水空母である。
すぐ隣を飛んでいるのは、潜水艦搭載用の水上攻撃機の代表『晴嵐』。
よほど飛行機が好きなのか、出撃時のSDで機体の格納筒を撫で回す様子が見られる。そのときの顔がやばい。
ゲーム中では「潜水空母」に分類される。「潜水艦」ではなく別艦種で、委託の艦種条件が別となっている。よく確認しよう。
シュルクーフや伊号潜水艦の一部なども史実では水上機を搭載できたが、そちらは「潜水艦」扱い。伊25を除いて運用能力も再現されていない。
- ちなみに現実には「潜水母艦」という艦種も存在したが(剣埼や大鯨など)、別物である。
- 「航空機を運用するための母艦」、航空母艦を略して空母である。潜水空母はその潜水艦バージョン。
- 潜水母艦は「潜水艦を運用するための母艦」である。司令伝達や、魚雷・食料などの補給を行う艦のことで、通常は潜水艦ではない。
- 公式の4周年人気投票では、伊13の艦種が「潜水母艦」に間違えられてしまっていた。
極秘計画とは、潜水艦でアメリカ本土に忍び寄り、搭載した飛行機を発艦させて爆撃するという作戦。
伊25の搭載機が実際に成功させていたこともあり荒唐無稽というわけでもない。詳しくは元ネタの項参照。
青い色を好むようで、海と空がすき。自身の服も透明感のある青と白で統一している。
星の模様がある半透明のツノ、袖の透き通った服などはウミウシをモチーフにしていると思われ、ミゾレウミウシなどは色合いも近い。
史実ではシュルクーフよりも大きい艦体なのだが、KAN-SENとしてのスタイルには反映されなかったようだ。
+
何かとネタにされる伊13の支援範囲。何故こんな形状なのかの考察を下記に纏める。
- 伊13はアメリカ本土爆撃という、ほぼ起死回生と言える作戦を目的として建造されている。
- オルガ・イツカ率いる鉄華団が、基本的に大軍と戦わねばならず、加えて寡兵ゆえに起死回生・一発逆転の策に頼るしかなかった点と共通している。
2の手、3の手を用意できない、ハイリスクな賭けを挑まねばならない、一握りのエース頼り、というのも当時の帝国海軍と似ている。
- 伊13の最後は、重油を漏らしながらヘッジホッグをしこたま投下されるというものだった。
- 庇う味方の有無はあれど、サブマシンガンをしこたま撃ち込まれ、血を流しながら倒れたオルガ・イツカの最後と似ている。
ちなみに伊13の先任将校夫人は、夫の行方不明の報を聞いた後に自殺しており、オルガの死後に生き延びるよりも自らの死を厭わぬ道を選んだ三日月や昭弘達と似ているかもしれない。
- 伊13には伊14という妹がおり、こちらは無事トラックに辿り着き任務を達成している。
- オルガ・イツカには弟分の「三日月・オーガス」という存在がおり、オルガが畏怖するほどの活躍をしている。
「やっぱり凄いよ、伊14は」ということで、オルガ・イツカに見える要素が積み重なっていったと思われる。
こうして見ると、案外的を射ているパロディなのかもしれない……?
元ネタ †
- 大日本帝国海軍が建造した伊13型潜水艦1番艦。伊9型としては5番艦となる。海軍省の公式類別では伊9型5番艦とされ、後期甲型(甲型改)に分類。4隻建造される予定だったが、竣工に至ったのはネームシップの伊13と伊14のみだった。伊15(3番艦)は完成度80%で建造中止、伊1(4番艦)も起工したが完成しなかった。
- 伊13は、潜水艦ながら攻撃機を搭載する潜水空母という全く新しい枠組みであった。潜水空母の発想自体は第一次世界大戦以後に他の列強国にもあった。しかし実用化に成功したのは日本が初である。列強国の中で最も特異な発達を遂げた日本潜水艦であったが、潜水空母はその極致に相当する。開戦直後から山本五十六長官が提案し、1942年1月に軍令部から艦政本部へ「航空魚雷1本もしくは800kg爆弾1個を搭載し、4万海里を航行できる潜水艦は無いか」と諮問した事で建造計画がスタートする。伊25の飛行長だった藤田信雄飛行兵曹長も「水偵に爆弾を搭載してはどうか」という意見書を参謀に提出しており、この意見も反映されていると思われる。アメリカの工業地帯の多くは東海岸にあり、船舶・物資ともに太平洋側に出てくるには必ずパナマ運河を通る必要がある。このパナマ運河を破壊すれば、敵の戦争計画に大きな狂いを与えられる。これを標榜として、潜水空母という概念が誕生した。5月には基本設計と性能がまとめられ、図面上で形になりつつあった。
- 更に1942年9月、伊25が発進させた零式小型水偵がアメリカ西海岸のオレゴン州を二度に渡って爆撃するという偉業を達成。被害こそ少なかったが、敵国民を恐怖に陥らせる事には成功した。この戦果に目をつけた我が帝国海軍は「大型機であればより大きな損害を与えられるのでは?」と考える。そこで山本長官の潜水空母思想に賛同し、計画が本格的に始動する。パナマ運河までの距離は遠く、相応の重油が必要。しかも攻撃力を上げるには多くの艦載機を載せる必要があるため、どうしても船体の巨大化は免れなかった。まず最初に伊400型が設計され、建造は18隻を予定していたが戦況悪化に伴って反対意見が増加。既に起工していた艦を除いて建造中止になってしまった。資材不足と計画縮小に伴い、伊400型の建造数は5隻にまで減らされた。その補填として、伊13型潜水艦6隻のうち4隻を伊400型に準じた改装を加えて簡易版にする案が策定された。伊13は1943年2月4日に起工したが、計画の推進者だった山本長官が4月18日に戦死した事で計画は更に縮小を強いられた。それでも計画自体は消滅せず、開発は続行。長大な航続距離を持ち、専用の攻撃機晴嵐が完成すれば、地球上のどこにでも攻撃が出来る画期的な兵器となる。
- 伊400型や晴嵐の開発が進められる一方、軍令部第三部ではパナマ運河の調査を行っていた。調査を命じられた今井信彦少佐は。明治36年から8年間、起工から完成までパナマ運河の建設工事に殆ど携わっていた青山士(あきら)氏が東京に住んでいる事を突き止め、彼が所有する資料と補足情報を入手。軍備以外は見当がつくレベルの正確さだった。軍備に関しては大船の海軍捕虜収容所を訪れ、最近パナマ運河を通過した捕虜から阻害気球の状況、哨戒機の警備体制などを聞き出した。様々な状況を統合した結果、ガツン湖最上部の大西洋側の閘門2〜3ヶ所破壊すれば長期間使用不能にできると判断された。このように、パナマ運河攻撃はかなりの気合の入れようだった。
- 1943年2月4日起工、11月30日に進水し、1944年12月16日に竣工した。
+
- 1941年度戦時艦艇補充計画にて甲型一等潜水艦として建造が決定。第621号艦の仮称が与えられ、1943年2月4日に川崎重工神戸艦船工場で起工する。しかしここで思わぬ転機が訪れる。18隻建造される予定だった伊400型(潜特型)が計画縮小により5隻に減じられ、その補填として巡潜甲型潜水艦6隻のうち4隻を潜特型に準じた改装を受けさせる事になった。まだ本名すら無かった第621号艦も改装を受ける事になり、世にも珍しい潜水空母への道を歩み始めた。10月1日に伊号第13潜水艦と命名され、11月30日に進水。1944年初頭に潜特型に準じた設計変更を受け、攻撃機2機を搭載できるようになる。2月25日、艤装委員事務所を設置。レイテ沖海戦直後、軍令部第一部は「特殊戦略作戦部隊として晴嵐搭載艦を以って潜水戦隊を編成する」とし、第1潜水戦隊の再編成に着手した。竣工見込みは11月15日とされていたが、何らかの事情で約1ヶ月遅れた1944年12月16日に竣工。初代艦長に大橋勝夫中佐が着任した。竣工後、佐世保鎮守府に編入される。その日のうちに神戸を出発し、12月17日呉に到着。12月30日、海軍部は竣工したばかりの伊400と伊13で第1潜水隊を編成。第6艦隊に編入され、司令には有泉龍之介大佐が着任した。
- 伊400型潜水艦同様、潜水空母の役割が持たされている。このため水上偵察機1機を水上攻撃機2機に変更し、バルジを装着している。機関は大出力のものが用意できず、生産が容易な22号10型ディーゼルとした。これにより機関出力が甲型の40%弱にまで下がり、速力低下を招いた。代わりに機関が小型なので、余剰スペースに燃料タンクを増設した事で航続距離が増大した。生産が遅れているDS鋼は司令塔のみに使用。あとは厚さを10%増やしたMS鋼に変更。資料によっては改伊9型一等潜水艦と書かれる。建造中止になった伊400型の代艦という事で、航空艤装は伊400型に準じている。ベースは伊9型だが大型機を運用するため、強力なクレーンと射出機を装備。格納庫も後方へ大きく拡張し、でかい晴嵐2機を収容できるように工夫している。バランスを取るため艦橋は左側に寄せられ、それに伴って大改装している。だが復元性の低下や舷側装甲の減少が生じたため、大型バルジを装着しなければならなかった。それでも復元性は改善されたとは言えず、凪いでいる時はともかく荒天時の横揺れは酷く、転覆するのではないかと思われた。兎にも角にも原型が変わるほどの大改装を受けたが不断の努力と潜水艦技術が結実し、伊400型と遜色無い性能を獲得した。
- 要目は排水量は3,603トン、全長113m、全幅11.7m、速力16.7ノット(水上)、5.5ノット(水中)、安全潜航深度100m、航続距離は最大で3万8,892km。伊400型には及ばないものの、かなり大型の分類に入る。武装は40口径14cm単装砲1門、25mm3連装機銃2基、同単装砲1基、艦首53cm魚雷発射管6門、魚雷12本搭載。
- 竣工した時には既に連合艦隊は壊滅。本土への空襲も本格化してきているという危機的状況下にあった。加えて燃料も不足気味で、満足に動くことも出来なかった。伊13は、パナマ運河攻撃のための晴嵐を運用する第631海軍航空隊の母艦に指定。当初は僅か6機しかなく予備機も無い小規模な航空隊であったが、次第に拡充されていった。1945年1月8日に竣工した伊401が第1潜水隊に加入。1月19日、駆逐艦神風や野風と演習を行い、対潜掃討の標的艦を務めた。3月5日、山口県屋代島に第631航空隊が移転し、潜水隊との協同訓練を開始。3月14日には竣工した弟の伊14が加わり、第1潜水隊は4隻体制となる。4隻は瀬戸内海西部で猛訓練を行う。5月頃を目処にパナマ運河爆撃を行う予定であったが、この極秘任務を知るのは上層部だけで、乗組員には知らされていなかった。伊13たちはいずれも潜水空母で、巨躯を誇っていた。潜水艦で大型なのは敵の発見を招くため、デメリットになる。いかにして速く潜航するかが重要だった。訓練は早朝から行われ、潜航までの目安は約1分とされた。とにかく反復練習を実施し、来るべき決戦に備える。
- 潜水艦の訓練はともかく、晴嵐の訓練は遅々として進まなかった。既に本州周辺では敵機動部隊が跳梁跋扈し、本土の空を我が物顔で乱舞する。飛来するB-29爆撃機は機雷をバラ撒いていき、晴嵐の訓練を行うには危険極まりない状況と化していた。更に生産を担当する愛知航空機名古屋工場も空襲を受け、ますます遅延が発生している。
- 1945年3月19日午前7時30分、呉に警戒警報が発令。九州沖にまで進出してきた敵機動部隊が空襲を行った。在泊艦艇に相当な被害が及んだが、伊13は潜航して難を逃れている。第1潜水隊司令・有泉龍之助大佐の進言により、指揮下の潜水艦にシュノーケルを搭載する工事が行われた。シュノーケルは同盟国ドイツの技術で、大西洋方面のUボートが採用しているとの情報が入っていたのだ。日本潜水艦でこのシュノーケルを搭載したのは伊400、伊401、伊13、伊14の4隻だけである。ところが瀬戸内海はB-29がばら撒いた機雷で危険海域と化してしまったため、4月2日に第631航空隊は福山に移転。呉にも重油が残っていなかった事から訓練地の移動を強いられ、石川県・能登半島の七尾湾が新たな訓練地に指定された。ディーゼル駆動するとは言え、潜水艦にも燃料が必要である。その燃料を求めて伊400は大連へ移動。5月27日午前8時、伊13と伊14は呉を出発。朝鮮半島南部の鎮海へ向かった。しかし道中は厳重に機雷封鎖されており、実際伊401が触雷している。19時に門司へ到着し、仮泊。5月28日、伊14とともに鎮海へ入港。現地で燃料を満載にし、翌29日に出発した。訓練地の七尾湾に向かっていたが、道中の6月1日に濃霧と遭遇したため富山湾に一時避難している。紆余曲折を経て、6月3日に七尾湾へ入った。ここで晴嵐との合同訓練を開始した。
- 第1潜水隊はパナマ運河攻撃を見越し、その訓練に従事。舞鶴鎮守府工作部が用意したパナマ運河の模型を使い、爆撃の練習を繰り返した。敵の潜水艦や爆撃によって何度も妨害されたが、彼らの闘志を消す事は出来なかった。6月6日、第631航空隊との合同訓練が行われる。珠洲岬東方から潜水艦が潜航しながら目標に接近して急浮上し、折りたたんだ晴嵐を組み立てて発進。10機か編隊を組んで模型の閘門(こうもん)に爆撃訓練を実施するという実戦さながらの練習だった。血の滲むような猛特訓の末、晴嵐の組み立ては約10分で出来るようになった。搭乗員も大変だったが、整備員はもっと大変だった。機体の整備や水洗いに追われ、寝る暇すら無かったと伝わる。実は晴嵐にも問題があり、伊401を飛び立った機が突然燃料を噴いて墜落するという事態もあったという。“天皇の浴槽(ヒロヒトズ・バスタブ)”と呼ばれた日本海にも敵軍の魔手が迫り、潜水艦群が侵入。6月10日には能登半島の最北端・禄剛崎の沖で伊122が撃沈されている。穴水基地から晴嵐が発進し、索敵と生存者の救助を図ったが、どちらも不成功に終わる。パナマ運河への攻撃は、当初は爆撃の予定だったが次第に体当たりする方針に変わっていった。もう後が無い我が帝国海軍にとっては、体当たりの方が確実だったのである。
- 本土は連日のように無差別爆撃を受け、戦局は逼迫し続けていた。5月に最後の同盟国ドイツが降伏し、米大西洋艦隊が太平洋に出てきている状況ではパナマ運河を爆砕しても効果が薄いと考え、作戦の中断を決定。帝国海軍首脳部は、敵の前進拠点であるウルシー環礁への攻撃を計画。6月12日頃に決定した。深刻な燃料不足により、作戦行動可能な戦力は第1潜水隊のみであった。
- そうとは知らずに6月15日、黎明射出及び爆撃訓練を実施。6月19日、潜水空母4隻は晴嵐の水上発進の訓練を行った。翌20日、パナマ運河攻撃中止の命令が届く。代わりに光作戦への参加が命じられた。彩雲をトラック島に輸送し、これを使ってウルシー環礁の敵艦隊を偵察。そこから得た情報を元に伊400と伊401が晴嵐で攻撃を仕掛けるのである(嵐作戦)。晴嵐と要員を降ろして七尾湾を出港。6月22日に舞鶴へ入港した。6月25日、小沢治三郎司令から発令され、午後1時25分に海軍総隊電令作第95号が発せられた。7月2日に舞鶴を出港。伊13と伊14は策源地の大湊へ回航された。7月4日に到着し、分解済みの彩雲2機とトラック島向けの物資を搭載。7月下旬頃にトラックへ到着する予定とした。本来は伊14が先に出港する予定だったが、乗組員のミスで推進軸の外貫通部が熱を持ったため急遽修理する事になり順番が逆転している。絶望的な作戦だったようで、出撃前に乗組員は家族との面会を許された。
- 7月11日午後3時、トラック島に向けて大湊を出撃(伊14は7月17日)。極秘作戦だったので見送りは無かった。しかしすぐに消息不明となる。到着予定日の7月27日になっても連絡が無いことから、1945年8月1日にマリアナ諸島方面で喪失と判定。その経緯は次の通りである。
- 米護衛空母アンツィオ(USS Anzio,CVE-57。カサブランカ級護衛空母の3番艦)を中心とした機動部隊は、本土南方を哨戒していた。7月16日午前7時37分(午前7時7分とも)、小笠原諸島北東沖にてアンツィオ搭載のアベンジャー雷撃機に発見され、ロケット弾を撃たれる。艦長の大橋中佐は、開戦劈頭に伊65の艦長を務めていてプリンス・オブ・ウェールズを発見した古強者だったが、敵の新型兵器相手ではどうにもならなかった。「急速潜航!」と叫び、海中に姿を隠すが間に合わずロケット弾が直撃。重油が漏れ始める。敵機は燃料が少なくなったので、母艦へ帰投した。哨戒機からの連絡で、別の哨戒機と護衛駆逐艦ローレンス・C・テイラーとロバート・F・ケラーが追いすがる。敵は伊13が流した重油の痕跡を辿っていた。午前9時20分、哨戒機から攻撃を受け、更なる損傷を負う。午前11時には哨戒機によって誘導されたテイラーがヘッジホッグ24発を一斉に発射。初弾から命中した伊13には耐えられるはずがなく、2度に渡る轟音が響いた。15分後、ケラーがヘッジホッグを投じたが手応えが無かったため、撃沈と判断。伊13は消息を絶った。乗員140名全員が壮絶なる戦死を遂げた。最も多数の戦死者を出した日本潜水艦であった。
- 勝目純也氏の著書「日本海軍の潜水艦 その系譜と戦歴全記録」では最期の瞬間が若干異なっている。哨戒のアベンジャーに発見されるところまでは同じだが、ロケット弾の他にソノブイも投下し、さらに新型兵器の対潜用音響ホーミング魚雷を投射。そして伊13を音響ホーミング魚雷によって撃沈した、とされている。敵軍側の資料では2隻の護衛駆逐艦によって沈められたとされているが、伊13の航路と沈没地点が離れている事から、沈没原因は別だとする意見もある。また伊13の沈没は嵐作戦参加中の伊401にも届き、乗組員を不安にさせた。仮に生き残っていた場合、香港からシンガポールへ晴嵐を運ぶ予定だったという。
- 1945年9月15日、除籍。
- ちなみに伊14は沈没寸前にまで追い詰められながらも輸送に成功。彩雲もウルシー偵察に成功している。伊13が身代わりになったのだろうか。いつまで経ってもトラック島に到着しない伊13の異変に、伊14の乗員は沈没を悟った。
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