ニコロソ・ダ・レッコ

全ての追加セリフには、字幕に表示されない謎の人物の掛け合いも挿入されている。(以下、当該部分は『』で囲って記述する。)
声の主の正体は…レッコの同型艦のアントニオット・ウソディマーレ(本スキン実装の2021年4月時点では未実装)、スキンのイラストで砂浜に埋められている犠牲者KAN-SENその人である。

• イタリア海軍が建造したナヴィガトリ級嚮導駆逐艦3番艦。艦名の由来は、1341年にカナリア諸島へ到達したジェノヴァの冒険家兼航海士から。ナヴィガトリ級は仮想敵フランスの大型駆逐艦ジャガー級に対抗するために設計された。全部で12隻建造され、このうちニコロソ・ダ・レッコのみ旗艦として建造された。旗艦設備を載せたためか姉妹で唯一機雷敷設レールを装備していない。全長107.3m、排水量1930トン、最大速力32ノット。1926年、アンコーナ工廠に発注。1927年12月14日に起工し、1930年1月5日に進水、5月20日に竣工を果たした。元々は偵察艦に属していたが、1938年9月5日に駆逐艦へ艦種変更となった。ナヴィガトリ級は1939年から翌年にかけて改装を受けたが、何故かニコロソ・ダ・レッコとアントニオ・ウソディマーレは省かれた。
  　
• 1940年6月10日、イタリアは英仏に宣戦布告して第二次世界大戦に参戦。ニコロソ・ダ・レッコは、姉妹のアントニオット・ウソディマーレ、エマヌエーレ・ペッサーニョとともに第16駆逐隊を編成し、地中海で開戦を迎えた。しかしイタリア軍は準備不足の中で強引に参戦したため、あらゆる物資が不足していた。特にイタリア領リビアの陸軍は戦闘準備が整っておらず、彼らへの補給は急務だった。そこでイタリア軍は補給船団を編成し、7月6日に5隻の輸送船がナポリとカターニアから出港した。ところが地中海は敵海軍が支配する箱庭であり、イタリア軍情報部は敵の膨大な戦力の移動を察知。急遽2個艦隊を派遣し、ニコロソ・ダ・レッコはイニーゴ・カンピオーニ中将率いる第1艦隊に伍して出撃した。7月9日15時15分、優勢な敵艦隊に発見され、カラブリア沖海戦が生起。勇敢にも砲撃戦を挑んだ味方戦艦ジュリオ・チェザーレが中破させられてしまったため、これをかばうようにニコロソ・ダ・レッコは煙幕を展開。見事脱出の機会を作って見せた。無事補給船団はリビアに到着し、敵の船団がマルタに到達するのを阻止したため、イタリアの戦略的勝利となった。
  　
• 1940年晩秋、イタリア軍はギリシャへの侵攻を開始。しかしイタリア軍は弱すぎたので逆にやられ、アドリア海へ放り投げられそうになっていた。更に敵はギリシャを援護するため、おもむろに陸軍部隊の輸送を開始。これを阻止するため、イタリア艦隊は出撃を開始。1941年1月31日のカソス海峡海戦では無傷で敵タンカー1隻を沈めるなど、明るい報せが届き始めた。3月26日、敵輸送船攻撃のためイタリア主力艦隊が勇躍出撃した。ニコロソ・ダ・レッコはアントニオ・レグナー上級少将率いる第8戦隊に所属していた。やがてマタパン岬沖海戦が生起するが、戦闘には参加できず。11月18日、敵軍の反攻作戦により北アフリカ戦線のドイツアフリカ軍団は後退を強いられる。苦戦する独伊軍を支援するため、イタリア海軍は補給船団をシルテ湾に向かわせた。だが地中海の戦況は悪化の一途を辿っており、敵艦の跳梁跋扈により戦闘艦・輸送船ともに大損害を出していた。それでもめげずに補給船団を送り出し続け、ニコロソ・ダ・レッコは献身的に護衛任務を引き受け続けた。この護衛任務中に長女のアルヴィセ・ダ・モストが敵艦隊に包囲されて撃沈されてしまった。
  　
• 燃料不足で大型艦が動けなくなった1942年においても、ニコロソ・ダ・レッコはイタリア本土・北アフリカ間を往来して船団護衛に従事していた。4月、第16駆逐隊の司令官にアルド・コッキア大佐が着任。ニコロソ・ダ・レッコに乗艦した。6月21日、チュニジア沖で2隻の貨物船を護衛している時に敵機の爆撃を受ける。劣勢だったが、対空砲火でボーフォート爆撃機3機を撃墜して貨物船を守り切るという卓越した戦果を挙げた。11月8日、敵の大群がヴィシーフランス領のアルジェリアとモロッコに襲来。東西を敵に挟まれ、窮地に立たされたドイツアフリカ軍団を助けるべく、独伊軍は4つの補給船団を編成。1766名の陸兵、709トンの軍需物資、4輌の戦車等が積載されていた。ニコロソ・ダ・レッコは、4つのうちの1つであるH船団の護衛任務に就く。敵のおもちゃにされ、フリー素材と化していたイタリア海軍に割ける戦力は乏しく、護衛はニコロソ・ダ・レッコとソルダディ級駆逐艦カミチア・ネーラ、フォルゴーレ、オルサ級水雷艇プロシオーネ、スピカ級魚雷艇クリオの5隻だけだった。それでもアルド・コッキア大佐は圧倒的不利な状況下において、何度も船団護衛を成功に導いた猛者であった。12月1日、4つの補給船団はシチリア島を出港。チュニスを目指していたが、さっそく敵の偵察機に発見される。3つの補給船団は帰投を命じられたが、H船団のみチュニスへの進撃を続けた。日付が変わった翌2日午前0時30分、敵艦隊のレーダーに捕捉されてしまう。イタリア側も敵艦隊の気配に気づき、西南西への転舵を試みる。しかしこの辺り一帯は敵が撒いた機雷原があり慎重にならざるを得なかった事、回頭信号を見落とした船があった事から隊形が崩れる。そこへ無数の敵艦が殺到し、イタリア海軍最後の水上戦闘であるスケルキ海峡海戦が生起する。

• 12月2日午前0時27分、膨大な数の敵艦隊がH船団の前に出現。巡洋艦を主体とした陣容であり、駆逐艦や水雷艇しかいないH船団ではとても抗し切れない。しかも守るべき輸送船は散り散りとなっている。だが逃げる訳にはいかない。コッキア大佐は反撃を命じ、絶望的な戦いが始まる。旗艦ニコロソ・ダ・レッコ率いる駆逐隊は一斉に雷撃を仕掛けるが、レーダーを装備している敵に苦もなく避けられてしまう。次にニコロソ・ダ・レッコは勇敢に突撃し、視界不良の中で敵艦隊に殴りこみをかける。盛んに砲撃しながら輸送船を守ろうとしたが、多勢に無勢。逆に集中砲火を浴びて中破したうえ、燃料に引火して巨大な爆発の柱が巻き上がり、乗組員の半数以上である118名が死亡。コッキア大佐も重度の火傷を負う。敵巡洋艦は手負いのニコロソ・ダ・レッコを無視し、まずドイツ船KT-1を血祭りに上げる。続いて午前1時12分に貨物船アヴェンティーノ、アスプロモンテ、デレッコが犠牲となり、味方の駆逐艦フォルゴーレが反撃に転じて雷撃を行うも、集中砲火を浴びて午前1時16分に転覆。一方的に嬲られ、H船団は壊滅。ニコロソ・ダ・レッコは命からがら生き延び、僚艦クリオとカミチア・ネーラが生存者を救助した。せめてもの慰めは、ドイツ空軍の荒鷲が一矢報いてくれた事だった。12月末、改修でソナーを装着。だが1943年に入ると完全に燃料が枯渇してしまい、駆逐艦や潜水艦ですら動けなくなってしまった。
  　
• 1943年9月9日、イタリアの降伏により終戦を迎える。この時、ナヴィガトリ級は12隻中5隻生き残っていたが、勝手に敵軍に降伏しようとした事でドイツ軍のお仕置きを受け、ウゴリーノ・ヴィヴァルディとアントニオ・ダ・ノリが撃沈、敵国に降伏する事を拒んだアントニオ・ピガフェッタとニコロ・ツェーノが名誉の自沈。ニコロソ・ダ・レッコは唯一生き残ったナヴィガトリ級となった。

末尾の番号が若いほど、古いログになります。

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