-Chapter6- 偽装 |
 | タシュケント |
タシュケントたち、作戦海域に到着したわよ。今セイレーンに陽動攻撃をしかけているわ |
 | タシュケント |
オミッターはまだ見かけていないけど、このまま戦えば絶対引きずり出せるはず |
 | タシュケント |
同志ちゃんのところはどう? |
| タシュケントたちのおかげで、こちらのセイレーンはまだ集結が終わっていないようだ。 |
 | タシュケント |
あっそ。同志ちゃんのことだし心配いらない感じね。タシュケント、通信を切るよ |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
オミッターが出てこない以上、こちらも安心はできないな |
 | キーロフ |
セイレーンの本陣近くでの戦いだ。思い通りに動いてくれることはそうそうないだろう |
 | グレミャーシュチ |
でも時々すごく馬鹿そうな動きをするじゃない?セイレーン |
 | グレミャーシュチ |
例えばグレミャーシュチがふん!と鉄球を振り回してもそのまま突っ込んできてやられたりして。うん、そんなとこ |
 | ムルマンスク |
そこは量産型と人型で差があるのではないでしょうか…? |
| ムルマンスクたちと合流している最中、今までのセイレーンの行動パターンを思い浮かべる。 |
| 確かに、量産型のセイレーンは指揮中枢さえ健在なら統率のとれた戦術行動を見せてくることが多いが… |
 | ムルマンスク |
大体は人型のセイレーンを倒せばほかのセイレーンも統制を失ってますね |
| 逆に言えば、指揮する者さえいなければこちらの量産艦同様ただの機械だ。 |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
だから人型を向こうに引きずり出させる必要があるのだよ。こっちにこられてはセイレーンの戦力が数以上に強化されるから困る |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
まあ、実戦では人型がどこかに隠れて量産型を操作していることも多いがな |
 | ムルマンスク |
指揮官はセイレーンの人型個体と何度か会ったことがあるんでしたっけ? |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
あるそうだ。ユニオンでも「ピュリファイアー」とやらと |
 | グレミャーシュチ |
でも同じ人型なのに言葉を喋らない子がほとんど。うん、そんなとこ |
 | キーロフ |
それに鏡面海域で作り出されたコピーのこともあるな |
| ……… |
| 指揮官 |
[人型の個体といえば――] [艦船と共通している部分が――] |
人型の個体といえば―― |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
ん?「人型であることは艦船と同じ」って?その考え方は斬新だな |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
あの人型セイレーンたちの外見は私たちに接近するための偽装、とでも言うのかね…? |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
そこはキーロフのほうが専門だな。ほら、外見とか情報とか |
 | キーロフ |
その筋は前々から考えられていたよ。セイレーンが出現したときから、なぜ「ヒトの形をしているのか」ということが |
| 艦船たちが生み出される前から人型のセイレーンが出現していたことから、「偽装」という線は考えられないな |
 | キーロフ |
あえて威圧感をもたせるなら、私達と同様にあんな華奢な体格にする必要などないはず |
| ふむ… |
艦船と共通している部分が―― |
 | ムルマンスク |
女の子であることと、「艤装」をまとっていることですね…?セイレーンが持っているのは「艤装」と言えるのでしょうか…? |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
海洋生物と似ているが、あの作りは自然にできたものとはとても思えないがな |
| もしセイレーンも艦船と同じ「生み出された存在」だとすれば、その創造主たるものは相当な技術力を持っているに違いない。 |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
しかし、艦船と共通しているところか…… |
| おそらく「ヒト」という存在を知り尽くしているんだろう。 |
|
 | キーロフ |
同じ「言葉」を発し、「ヒト」の顔と躰を持つ、「艤装」を装備し戦うために生まれた存在 |
 | キーロフ |
あまり認めたくはないが、共通点を考えれば正直キリがないね |
 | ムルマンスク |
あと、完全な機械である「量産艦」を操れるという点もありますね |
 | グレミャーシュチ |
うん、そんなとこも |
 | ムルマンスク |
……………流れ的にここはあまり「セイレーンはお友だち」と言わないほうがいいですよね… |
 | ムルマンスク |
あ、そういえば「セイレーン」はなんで「セイレーン」と呼ばれているのでしょう? |
 | グレミャーシュチ |
?セイレーンは「セイレーン」でしょう? |
 | キーロフ |
こっちもずっとのその認識だな。上層部の資料にもそう書いてあったし、単なるコードネームだろう |
 | ムルマンスク |
ふと気になりましたけど、なんで「リヴァイアサン」とか「アビス」とかじゃなくて「セイレーン」でしょう? |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
人型だから? |
| (まあ、そう考えられるな…) |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
にしてもムルマンスクは今日はたくさん質問してくるな。さては観察対象が小動物から百科事典にでもなったのかな? |
 | ムルマンスク |
本とにらめっこ?んー、それもいいかもしれませんね~~ |
 | ムルマンスク |
本を積み上げたり散らかしたり、抱っこして匂いを嗅いだりして… |
 | ソビエツカヤ・ベラルーシア |
いや、読書のことだが |
| (この話題の続きは「秘密領域」に到着してからにしよう…) |
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