山城

近代化改修を済ませると戦艦から航空戦艦になる。
カテゴリも航空戦艦となりドックでのフィルターやハードステージの戦艦枠に引っ掛からなくなる。
変更点は以下の通り。

• 長所
  • 航空攻撃が可能になり装備できる水上機は機銃も持っているため防空にも参加できる。
  • 改造の過程で単純にステータスが上がる。
  • 設備で油圧カタパルト、空母燃料タンクの二つを装備できるようになる。
  • 主砲補正が165%と他に類を見ない値まで上昇し、炎上ダメージも大きく延びるため榴弾砲と極めて相性が良い。
  • ティルピッツの「戦艦、巡戦はティルピッツだけの場合、自分の与えるダメージがアップ」というスキルを阻害しなくなる。

• 短所
  • 主砲砲座が-1されスキルから得られる火力値を活かしづらくなる。
  • 航空値が本職の空母に劣るため航空打撃力は低い。
  • 副砲が廃止され後逸に対する防衛力が下がる。副砲装備による火力値補正も乗せられなくなる。

スキル『予備攻撃隊』

初回航空攻撃時に攻撃隊とは別に、一機あたり100lb爆弾を5個搭載する瑞雲を3機追加する。
航空攻撃自体は何度でも行えるがスキルは戦闘毎の初回時にしか発動しない。

Lv100時点では総合的なダメージ量では砲補正+20%と大きく上がるのに加え、航空攻撃による攻撃の追加により改造後の方が強い。
が、認識覚醒でLv100を超えると半改状態の方が総ダメージ量も高くなる。改造後は火力・航空値共に伸びが渋いのに対し、改造前の方は火力値が大きく伸びるため逆転されてしまう。
副砲没収による攻略への影響も意外と大きく、半改状態の方が使いやすいうえに強いという悲しい状態に。
100以降で恩恵を受けた重巡のように改善、あるいは強力な水上機が実装される可能性はゼロではないが・・・。

改造前と後では得意なこと、出来ないことがはっきりしているので改造はよく考えておこう。
余裕があるのなら戦艦用と航空戦艦用に2隻育ててもいい。

装備

• 主砲
  主砲砲座が1つ減ってしまいダメージを与える機会も減ってしまったが威力補正は165％まで引き上げられたので一発分のダメージは上がっている。
  一度に多くを発射できる三連装砲などの方が火力を活かせるかもしれない。ただし多連装砲になると砲弾の拡散範囲が広がる点には注意。

• 艦載機
  水上機のみ装備可能。攻撃重視なら爆撃系の彗星二一型、防御重視なら対空系の強風と目的に応じて使い分けよう。
  ただしこれらはセイレーン作戦の攻略が必須の研究装備のため、多少入手が難しくなっている。入手性という点では装備箱から手に入る瑞雲かコアショップで手に入る晴嵐の二択となる。

• 対空
  補正が85％になったが正直申し訳程度の差なので同じ物で問題ない。
  水上機も機銃を装備して防空に参加できる点を見ればむしろ大きなプラスと言える。

• 設備
  空母系設備が装備可能になったがそもそもの航空値が低い。
  やはり砲撃関係の設備か修理装置辺りが妥当案か。

• スキル『予備攻撃隊』
  初回の航空攻撃時に追加で瑞雲による攻撃を行うスキル。
  予備隊の威力はボスを一撃で仕留めるほどではないがそれなりに高く雑魚散らしには充分役立つ。

編成
一番の違いは副砲を失ったかわりに航空攻撃が可能なこと。戦艦の機能を一部犠牲にして空母としての役割をある程度こなせるようになった。
航空の威力自体は心許ないが曲がりなりにも航空攻撃、弾消しの機能はあるので割り切って運用するのもいいだろう。

• フッド
  改造前と同じくフッドのスキルで装填を加速して主砲を撃ち込んでいく。
  注意点は山城からフッドに対してバフの恩恵が受けられない、フッド自身がロイヤル艦隊の方が活きやすいため山城と組ませる優先度が低いこと。
  山城と組ませる、というよりもフッドと組ませる相手を考えた時の候補として山城は良好といえる。

• 日向
  性能は戦艦時代の山城とほぼ同じなのでそのままポジションを引き継げる。更に日向は『砲術指揮・主力』を所持しており双方の火力を伸ばせる。
  集中攻撃ほどのパンチ力はないが確率に左右されない安定感は魅力的。

• 伊勢、扶桑
  同じ理由で選択肢に入るが伊勢は砲術指揮を持たない。
  扶桑はステータス、スキルの両面で若干劣るが専用特殊装備を持つ点で勝る。

• アーク・ロイヤル
  『ソードフィッシュ発進！』が発動すると敵の移動速度が下がるため砲撃を確実に当てる布石になる。
  単体での攻撃性能も非常に優秀だが戦闘機を搭載できないのが弱点。
  幸いにも水上機は防空に参加できるので多少のカバーはできる。

• 翔鶴
  『守護の鶴』で味方のダメージを底上げし、かつ味方が受けるダメージを軽減できる。
  翔鶴のスキルはダメージそのものに倍率を掛けるため相手を選ばず組ませられるメリットがある。
  ただし瑞鶴がいないと『五航戦』が完全に無駄になってしまう。
  無駄にしないとすぐやられるので無駄になってもいいという見方も可能ではある。

• ティルピッツ
  ティルピッツは最強クラスの戦艦だが、スキルの制約により他の戦艦・巡戦と出にくい。
  山城改はこの制約から外れるため、ティルピッツと組ませることができる数少ない戦艦砲持ちの艦となる（他には砲艦のエレバス・テラーがいる）。
  また、ティルピッツが唯一苦手とする対空も補うことができる。

春月「昼寝は大事ですね！春月、その気持が分かります！」
宵月「宵月的に、昼寝だけじゃなくすべての睡眠が大事だと思います…」

神風「扶桑さえよければこの神風、いつでも使い方を教えても良いぞ？」
宵月「意外です…！」

ラフィー「でもやっぱり部屋の枕が一番……」
山城「そ、そう…？」

※ストーリーは、図鑑→思い出より確認可能

• 1913年度計画により第四号甲鉄戦艦の仮称を与えられて建造が決定。建艦は横須賀工廠が担当。
  起工は1913年11月20日、1917年3月31日に竣工、横須賀鎮守府に編入された。1914年10月12日に行われた進水式には伏見宮博恭王も臨席していた。
  名前の由来は現在の京都府南部で平安京を擁する五畿内筆頭の旧国名「山城国」から。古くは平城京があった大和国（現在の奈良県）から見て、山の背後にあった事から「山背国」と表記されていた。
  • 当時の日本海軍の最重要拠点である横須賀鎮守府に最初に配備された超弩級戦艦だったが
    先に完成していた扶桑が欠陥だらけだったため二番艦の山城も「どうせ欠陥山盛りだろ」と酷評されていた、しかも完成する前から。
    • 扶桑型の何が欠陥なの？というと、扶桑型は日本で初めての純国産超弩級戦艦だったわけだが結果としては「やりすぎた」。
      火力に偏重し過ぎた艤装だったため45口径35.6cm連装砲6基、単装砲16基、高角砲4基、魚雷発射管6基と詰めも詰めたり。
      これだけだと何だ強そうじゃんと思うが、主砲を斉射すれば艦が傾き、甲板は爆風で吹き飛ばされ、艦橋は煙で周りが見えないと問題だらけだった。
      更に砲塔がたくさんということは、もしそこに敵の砲撃が当たれば誘爆して大惨事になる可能性が高くなる。
  • 山城は主砲用方位盤照準装置を搭載していたが、新造時より装備していたのは山城が初である。また射撃観測所を扶桑より拡大している。

• 1917年4月1日、姉の扶桑ともども第一艦隊第一戦隊に編入される。1918年9月1日から10月15日までの間、連合艦隊の旗艦を務めた。
• 1922年3月29日、猿島沖にて山城の第二砲塔上に設けられた滑走台から艦載機(ソッピース・パップ戦闘機とグロスター・スパローホーク戦闘機)の発射実験が行われた。
  この実験により山城は艦上から航空機を発進させた最初の艦となる。3回の射出試験は全て成功したが、1名の死亡者を出している。
  • 同時に近代化改修が行われ、主砲仰角の引き上げ、発射指揮所の新設、探照灯の移設、砲塔天蓋装甲の追加等を行っている。
• 1923年9月6日、関東大震災が発生し帝都や横浜に甚大な被害が及ぶ。これを受けて山城も出動し、救援隊の一員として横浜沖に向かう。
  地震の影響で港湾の海底が変形し、入港が難しくなっていたが何とか停泊。横浜では10万人の負傷者が出ており、山城の艦内にその一部を収容。
  手当てを行ったが、その甲斐無く約1200名が死亡している。だが大型艦の威容と、夜を照らす探海灯が被災者を勇気付けたのは言うまでも無い。

• 1925年12月、予備艦となった山城は改修工事を受ける。前マストを扶桑に準じた形態に改造、探照灯や高角砲も増やされているが、舷側水雷防御網は撤去されている。
  • 4年後の1929年頃、第四砲塔上に水偵1機を搭載。回収用のデリック・アームも装備されている。
  • 翌1930年12月27日、第三予備艦となり横須賀工廠に入渠。大改修を受ける。
    • 主砲最大仰角を30度から43度に引き上げ、最大射程を30km超に延長。
    • 使用弾を八八式から九一式に変え、それに伴って装填装置を改良。水平防御甲板を強化し、バルジを装着。
    • 砲塔動力を水圧式から空気圧へと変更、前マストに武式8m二重測距儀を装備する。山城のみ艦尾が7.62m延伸され、二番砲塔上に呉式二号五型射出機1基を増設。
    • 前部缶室を改造して、3機の水上機を積載できる格納庫とした。
  • 一挙に工事を行った扶桑と違って、山城の工事は細切れとなった。
    当時は満州事変や上海事変等で日米の関係が急速に悪化しており、有事の際にすぐ出撃するための措置と言われている。
    このため工数を区切り、極めて面倒かつ複雑な工程となってしまう。完工したのは1934年11月25日の事だった。
    山城の艦橋もジェンガの如く高く積み重ねられていったが不安定な扶桑の艦橋と違って、バランスの取れた姿となった。
• 1936年から1938年にかけて副錨と、荒天時に波をかぶって使用不能になる第一、第二副砲を撤去。主缶を改良し、応急指揮装置を設置している。

• そして1938年11月15日、角田覚治大佐が山城と長門の艦長兼任を拝命し着任。この時、山城は横須賀鎮守府警備艦として乗員の教育訓練を行っていた。
  その年の秋頃、横須賀鎮守府から査察官の近藤少将が来訪。艦長室で角田大佐と近藤少将が酒を酌み交わし、世間話に花を咲かせていたが、ささいな意見の相違から
  取っ組み合いに発展。喧嘩が始まった。艦長室に駆けつけた従兵が二人を引き離し、事無きを得た。翌日、二人は何事も無かったかのように仲直りしていた。
  • そんな角田大佐は1939年9月15日に異動し、山城を去っている。
• 1939年1月、訓練のため横須賀を出港。木曽、雷、電、響、夕張、吹雪、白雪、初雲、叢雲が同行し、山城はその旗艦となった。
  横須賀では冬の寒風が吹いていたが、南下に伴って蒸し暑くなってきた。訓練のため、台風を発見すると突っ込み、出入りを繰り返した。
  波浪で艦内は激しく揺さぶられる。八丈島を通過し、南洋のウルシー島に到達。ここで山城は投錨し、乗員は上陸した。
  原住民が椰子の実ジュースを振る舞ってくれたという。
  山城の乗員が浅瀬でシャコ貝を発見。2人程度では持ちきれないので、仲間を呼んで6人がかりで回収。山城艦内に運ばれ、美味しく頂いたとか。
  • 訓練はまだまだ続き、ウルシーを出港。12ノットの速力で波を蹴り始めた。
    演習を繰り返し、重油が少なくなってきたところで北上。母港横須賀を目指して帰路についた。
  • 同年9月、飛行艇の標的艦を務める。九七式飛行艇7機から合計14本の魚雷が放たれている。
• 開戦の足音が近づいてくる1941年、出師準備により山城に応急注排水装置と舷外電路が取り付けられた。また搭載機を零式水上観測機に刷新。
  戦争までに艦の姿が変わるほどの魔改造が施されたが、構造的欠陥が邪魔をして思うように性能が上がらなかった。
• 1941年10月31日、扶桑や長門とともに第一艦隊第二戦隊に編入。
  • さて、第二次世界大戦が勃発してもミッドウェー海戦までは山城に出番は無かった（山城含む主戦力の戦艦は内地で温存されていた）。
    航空戦力を補充するために航空母艦へ改造する計画が持ち上がったが結局は伊勢型に譲り山城は内地で待機、砲術学校の練習艦として使用された。
    艦内はピカピカに掃除されていたがシゴキが相当なもので「鬼の山城」だとか「山城に乗るくらいなら俺は首を吊る！」だとか言われていたらしい。
    だが午前・午後の休憩と、巡検ラッパが鳴り響いた後の喫煙タイムだけは団欒の時間だった。
• 1941年12月8日、遂に大東亜戦争が勃発。真珠湾を攻撃する機動部隊の援護のため、戦艦長門や扶桑とともに柱島を出撃。
  空母が被弾し損傷していた時に備えて曳航準備をしていたが全空母無傷との報告が入り、支援の必要が無くなった。
  • 13日、小笠原諸島付近で反転し柱島に帰投。年内の作戦を終えた。
• 1942年2月26日から3月3日まで呉工廠に入渠し、主砲身の交換を行う。
  • 4月18日、ドゥーリットル空襲により日本本土が初空襲を受ける。逃走する米機動部隊を追撃すべく山城も出動、索敵を行ったが発見できず。
    更に大波にさらされ、山城の艦載機が行方不明になっている。22日に柱島へと帰投。
  • 5月29日、ミッドウェー作戦に参加。主力部隊に所属し、機動部隊の後方に控えていたが戦闘は生起せず。空母が壊滅し、作戦は中止されてしまう。
    その後、アリューシャン作戦を支援するため北上。第二艦隊と合流する。嵐に巻き込まれながらも6月17日に横須賀へ帰投。呉に回航され、8月29日に呉工廠に入渠する。
  • 9月4日に出渠し、瀬戸内海で訓練に従事する。
  • 10月26日の南太平洋海戦が終結した頃、最前線に立つ猛将角田覚治中将は後方で遊んでいる扶桑や山城を投入しろと連合艦隊に叫んでいるが、燃料不足と一蹴されている。
• 1943年2月1日、柱島を出港。横須賀に寄港する。4月8日から6月まで木更津沖で飛行機襲撃訓練に従事する。
  • 8月27日、柱島に戻る。9月7日から室積沖で砲術学校の練習艦として実習の場を提供。続いて徳島に回航され、電探の実験を行う。
  • 9月15日より少尉候補生の乗艦実務実習に従事。旧式戦艦は何かと不便で、新米の少尉候補生には打ってつけの訓練場だったとか。
    「候補生は総員起こし1時間前に起床」「机上の仕事は夜にやれ」等、厳しい訓練の日々を送った。
    • また候補生にはまともな居住区が与えられず、14cm副砲の砲郭が彼らの住まいであった。
      そこへ机と物入れ兼用の腰掛けをぎっしり並べた。睡眠時はハンモックを使用するが出し入れが面倒な上、狭いため非常に厄介だった。
      失敗すると、もれなく指導官から酒保止めを喰らう。帝國海軍名物の鉄拳制裁や海軍精神注入棒も健在だった。
      艦内生活はハードスケジュールで、睡眠不足に陥る候補生が続出。だが候補生だけが辛い訳ではなく、指導官もまた眠っていなかった。

• 1943年10月8日、呉工廠に入渠し整備。戦艦でありながら内地で燻る山城に、輸送任務が回ってきた。先述の候補生たちを乗せたまま作戦に参加するのである。
  初めて外地に出られると、彼らは喜び勇み上陸した呉でサングラスを購入している。出港の前日、山城の弾薬庫付近で小規模な酒盛りが催された。
  やかんに入れられた酒を飲み交わし、手拍子を交えて合唱をしたとか。
  • 10月13日、宇品で第五二師団甲支隊2000名と陸軍の物資を積載。丁三号作戦に参加する。15日に瀬戸内海西部を出撃し、暴風と小雨が吹き荒れる外洋に出る。
    3万トンの巨体も揺さぶられ、船酔いに苦しめられる乗組員が多かった。上甲板は波に洗われ、舷側に砕ける波は艦橋付近にまで達した。翌日には晴れたが、波は高かった。
  • 10月20日、トラック諸島に到着。兵員や物資を揚陸する。10日間の滞在で、候補生らは古賀連合艦隊司令の訓示を受けたり、水路見学をしたりした。
    その帰り道の11月15日、豊後水道南方で米潜水艦ハリバットの襲撃を受ける。放たれた魚雷は隼鷹に命中し、航行不能に陥る。他の艦がさっさと豊後水道に滑り込む中、
    利根と山城は隼鷹の曳航作業を実施。佐伯航空隊から2機の対潜哨戒機が駆けつけ、彼らに守られながら徳島に入港した。給油を経て、横須賀に回航された。
    • その後、候補生たちは異動。新たな配備先へと向かっていった。
• 1944年2月25日、第二戦隊が解隊。単艦で連合艦隊に所属する。そして横須賀方面諸学校練習艦となる。
  • 4月、海軍対潜学校の生徒が乗艦。浦賀水道に停泊し、行き来する船のスクリュー音を聴いて船種、進行方向、距離の測定等を特定する訓練が行われた。
  • 5月29日、電探試験目標艦として横須賀を出港。曲がりなりにも実戦に投入された姉・扶桑と比べ、内地に留まり続けて戦う機会が無い山城。ただただ無常な日々が続く。
  • 7月20日、横須賀工廠に入渠。マリアナ沖海戦の戦訓により対空機銃を大幅に増設している。また大発6隻の増載工事を行う。8月20日、出渠。
    第二一駆逐隊に護衛されて呉へ回航。ここで南方から戻ってきた扶桑と合流する。
  • 9月10日、扶桑とともに第二戦隊を再編成。山城は西村祥治中将が座乗する旗艦となる。
  • 9月17日、宇品で独立混成第二五旅団の兵員を乗せる。そして23日に第十七駆逐隊の護衛を伴って出港。南下を始めた。
    その途上で米潜水艦プレイス、ポンフレット、フラッシャーに発見され雷撃を受けるが命中せず。10月4日、リンガ泊地に到着。訓練を開始する。
    • そして10月17日、フィリピン奪還を目論む米軍がレイテ湾に橋頭堡を築く。これを受けて大本営は捷一号作戦を発令し、迎撃を命じる。10月18日、リンガを出撃。
      敵潜水艦を警戒しながらリオー水道を通過し、2日後にブルネイへ入港。最後の燃料補給と作戦の打ち合わせを行う。10月22日、出撃。
      西村艦隊の旗艦として、スリガオ海峡方面からレイテ湾に突入する任務が与えられた。10月24日、哨戒のB-24に発見されたのを皮切りに敵艦載機の空襲を受ける。
      旗艦山城から対空戦闘が下令され、迎撃。軽微な損害で乗り切る。空襲後「対空警戒を厳にせよ」と各艦に信号を送った。

• そして同日夜、山城はスリガオ海峡で最期を迎えることになる。
  待ち受ける敵は戦艦6隻、重巡洋艦4隻、軽巡洋艦4隻、駆逐艦26隻、魚雷艇39隻。
  これに対し山城を旗艦とする西村艦隊は山城、扶桑、最上、満潮・朝雲・山雲・時雨の7隻。
  • 当初は栗田艦隊と同調して突入する計画だったが叶わず単身での突入となった。
    まず、魚雷艇30隻が出現。雷撃を仕掛けてきた。これに対し西村艦隊は見事な回避運動を見せ、無傷で乗り切る。
    そして扶桑と山城が副砲で反撃。魚雷艇3隻を撃沈して、撃退に成功した。だが、善戦はここまでだった。
  • 米駆逐艦部隊が一斉に放った魚雷が西村艦隊を襲い、まず扶桑が被雷・爆沈し穴を埋めるために最上が前進、山城に続いた。
    山雲も沈没し、満潮が被雷し航行不能、朝雲が艦首切断という大損害を受けて次々に落伍。
    山城も被雷し速力が低下、残存艦の最上、時雨と共に湾内へ突撃を図るも待ち構えていた戦艦、巡洋艦隊の攻撃を受ける。
    • 西村中将は「我魚雷を受く、各艦は我に省みず前進、敵を攻撃すべし」と命令、山城自身も炎上しながら足は止まらず突進を続けた。
      しかし4本の魚雷と無数の砲弾を受けて山城はついに艦尾から沈没、山城の一番砲塔は最期まで砲撃を続けたと言われている。
      1945年8月31日をもって除籍となった。

• ちなみに「山城」という名前が使われたのは後にも先にも戦艦山城だけなので山城と言われたらこいつのことだと思って問題ない。

どこそこで不幸不幸と連呼しているお陰で山城＝不幸という印象が強い方もいるだろう。
確かに設計に不備があったりその欠陥のせいで度々ドックに引き篭もっていた。
姉の扶桑が完成した直後にスペシャルでロイヤルなクイーン・エリザベス級が登場したり、不憫な境遇であったことは明らかだった。
しかし山城自身に不幸からくる事故などの話はほとんど残っていない。*2
それどころか山城に設置された艦内神社は日本でも有名な厄除け神社「岩清水八幡宮」である。
しかも昭和天皇の御召艦として使用され更には姉を差し置いて連合艦隊旗艦にもなっている。
終戦こそ迎えられなかったが欠陥戦艦という誹りを受けても大事故を起こすことなく一生を終えた様はむしろ幸運とも言えよう。
なお、呂113潜と衝突事故を起こした模様

米マイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏（64）の率いる米調査団が、スリガオ海峡で撃沈された戦艦山城を発見する。
http://www.manila-shimbun.com/column/opinions/news234449.html

＞ 同チームは来月にかけてスリガオ海峡とボホール沖で山城など日本艦船計６隻の探査を行っており、残る５隻の発見も目指している。ただ、スリガオ海峡は海流が強く、探査を困難にしているという。
＞ 同チームが探査に使用する調査船「ペトレル号」のフェイスブックページは同日夜、音波によるマルチビーム測深機で得たデータから作成した山城の画像と、ペトレル船内のモニター画面で海底の山城の映像を確認する写真を掲載した。
＞ 調査チームは「山城は海底でさかさまになった状態で発見された」としている。今後、船体の詳細を確認、写真や動画も公開していく予定。
＞ ペトレル号は海底６千メートルまで探査できる最新技術装備を有した調査船で、過去にシブヤン海に沈んでいた戦艦武蔵の船体やフィリピン海に沈んでいた米海軍の重巡洋艦インディアナポリスの船体の一部発見にも使われた。
＞ 今回、山城の他に探査が行われているのは、１９４４年10月に同海峡で撃沈された戦艦扶桑、重巡洋艦最上、駆逐艦満潮、朝雲、山雲の計６隻。
＞ ただ、最上については、ビサヤ地方ボホール島沖海底２０００メートルに沈んでいるため、期間も限られていることから、来年以降の探査になる可能性が高いとしている。（冨田すみれ子）

幸運にも姉の扶桑や、随伴艦の駆逐艦・朝雲も見つかったとのこと。
半世紀以上時を経ても、原型をかなり残したまま、スリガオ沖海底に山城は眠っているようだ。

末尾の番号が若いほど、古いログになります。

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