パーミャチ・メルクーリヤ(META)

アイリスでの陣営大会をアヴローラとパーミャチ・メルクーリヤに任せ南極海に浮上したソビエツキー・ソユーズ一行。
駆逐艦たちがはしゃぐ傍らに彼女はいた。
いつもと変わらぬ陽気と見聞で一行を導く『パーミャチ・メルクーリヤ』。
「そう、これはわたしの物語、この大陸の一つの可能性―」

鉄血と北方連合の地下シェルター『智者の円環』の調査中に奇妙な画廊を発見する一行。そこにはセイレーンと平和条約を締結した異なる史実―『帝国（インピェーリア）』が描かれていた。
調査結果とオブザーバーの干渉により彼女の狙いに気づき、増援を呼ぼうとしたソユーズ―次の瞬間『クーちゃんのお城』―終わらない宴会卓に二人きりで囚われてしまう。
望めばなんだって手に入る理想の世界―彼女はこれこそがKAN-SEN達が目指す『終着点』であり他の仲間も連れて来れると囁くがソユーズには「虚像」と一蹴される。
未来のために戦うと宣言するソユーズに声を荒げたのち、吹っ切れたように認識干渉と偽装を解除する。
「むかーしむかしの物語から降り立った存在」を名乗り改めて挨拶するパーミャチ・メルクーリヤ(META)。
オブザーバーが誘導したKAN-SEN達の中でもソユーズが狙いであり、北方連合の理想と信念を語る彼女に『永遠の楽園』を見せてみたかったと語る。
「過去には既知の栄光があり、未来のために戦っても何もなかった」と主張するが今度は「実験用のラットみたいなもの」とまで唾棄される。
「わたしだけが仲間に守られ、その叶えられなかった願いを背負って生き延びた！」
激昂と共にかつてアビータ・Hierophant Vに操られマルコ・ポーロが召喚した偽神機『ドロイド』を再び顕現させる。

『北方連合の施設を操作できる』彼女と『世界を書き換えられる』ハイエロファントは利害の一致から結託していたのだ。
現実世界に帰還し、「３つの目的」を果たすと言い認識干渉の解けたソユーズ達にドロイドの大群をけしかけ追跡する。
…だがヘレナ(META)の協力により指揮官の遠隔指揮が可能になり、ビスマルクZweiが待機させた予備戦力やサラトガの援護艦隊など四陣営の艦隊に包囲される。
彼女の実力は念入りな下準備を経たかつてのマルコ・ポーロには遠く及ばず、事情をよく知らないオグネヴォイとスヴィレピイにも不審がられるほどあっけなく圧倒される。
しかしその損傷を『ボノム・リシャール』同様逆用し、謎の咆哮を発し海を凍らせると共に『枝』の過去に接続、『曙光計画』の情報を引き出した。
彼らの失敗を見届け、堰を切らせたように未来のために戦うソユーズ達を嘲笑いハイエロファントに協力し永遠の過去に留まり続けると宣言する。
指揮官やヘレナ(META)には表面を凍らせただけのはったりと見抜かれ、咆哮に対して指揮官への対干渉防御も施され再び圧倒される。
しかし指揮系統への干渉までは見抜けず、指揮官のいる審判廷と戦場に黒い靄と衝撃波を発し通信システムをダウンさせ、指揮官とソユーズを気絶させた。
そして（おそらく彼女の想定を外れ）ふたりは白い世界の扉から彼女がひとりMETA化していく過去を見届けるのであった。
時が止まった世界―三人目の傍観者『パーミャチ・メルクーリヤの総体』は『指揮官』に問う。
「あなたは一体誰？」

指揮官を無力化したところで、決戦計画艦含む数十隻を前に敗勢は明らかだった。
彼女の戦力ではヘレナ(META)ら外部の協力が無くても南極の艦隊に勝利できたか怪しく、ソユーズにも中途半端な動向を指摘される。
「昔馴染みとお喋りしたかった」「ここで勝ってもハイエロファントに勝ったことにはならない」などと嘯きながらソユーズに『分かり合えない北方連合の『META』にして宿敵』を救うよう頼み、駄々っ子のような態度で負けを認め南極から撃退される。
その後２つ目の目的―『マルコ・ポーロの奪取』のために審判廷に侵入する。審判廷に流した黒い靄はその布石だったようだ。
…だがクレマンソーには見抜かれておりアルジェリー(META)、ラ・ガリソニエール(META)を引き連れおもてなしされる。
たまらず逃亡し３つ目の目的―『枝』の下級端末の弱体化のためピュリファイアーを狙うも今度は謎に満ちた蒼龍(META)に迎撃され、『実験場β』―指揮官達の世界の脅威に身震いしながら幕が下りる。
永遠の過去に留まろうと現実から目を背け続けた彼女と、未来を切り開こうと現実と戦ってきたKAN-SEN達の間には歴然たる覚悟の差が生じていた。
彼女が未来に目を向けられる日は来るのだろうか…？

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