前提としてドイツ海軍は敵の駆逐艦を凌駕する高性能な駆逐艦を欲していた。しかし、大西洋に進出するには既存の駆逐艦では性能が不足しており1936型駆逐艦(Z17シリーズ)よりも高性能な次期新型駆逐艦を計画した。本級は、1937年に案が提出されたので1937型駆逐艦と呼ばれている。
最初のコンセプトは北大西洋〜南大西洋にて活動する為に航続距離は6000海里、主砲は12.7cm連装砲を6基装備して船団護衛から通商破壊までこなせる万能駆逐艦だった……が、設計段階で色々改良が重ねられた結果、駆逐艦の仕事をさせたいのか巡洋艦の仕事をさせたいのか目的が大迷走。そこから、五つの設計研究に分かれた。当初は150mm砲の採用は1934型(Z1シリーズ)設計の際に、航続性を損なう恐れがあったため避けられていたが、結局は砲火力は重要と判断され、150mm砲搭載設計艦を研究していたチームの案が採用される。これがJ型として纏められることになる。
最終案となったJ型は主砲が15cm単装砲5基で魚雷発射管が連装2基と四連装1基の計8門、船体は(Z17と比較)全長137.25m(123.2m)、全幅14.2m(11.8m)、基準排水量3776t(1811t)、満載排水量4984t(3415t)、速力36kt(38.5kt)という駆逐艦なのかよくわからないモノになった。
この案は、現状のドイツの造船技術では要求性能を満たせないと判断されたため、計画が中止、既存の駆逐艦を量産しようと判断され1936A型(Z23〜Z30)が建造された。
しかしこの大型駆逐艦計画はここでは終わらず、後に1938Ac型、1938Ad型、1938B型に影響を与え、SP級偵察巡洋艦へと発展していくことになる。
余談だが、1938Ac型(フィリックス・シュルツ)と比べて実はこっちの方が誤差ではあるが排水量が大きい(向こうは満載で4902t)
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