ゲリュオンはヘラクレスの十二の功業の十番目に登場する牛飼いの巨人である。
その姿は阿修羅のような三頭三体の怪物で、槍と盾で武装した重装歩兵であり、物によっては翼が生えていたという描写もある。
これは紋章にもなっているビスマルクのモットー"In der Dreiheit liegt die Kraft"(三位一体には力がある)に通じる。
ヴェスタルMETAは艤装を見て「戦士にして心優しき牛飼い――いい名前ですね。同じ「概念」が3つあるところもピッタリです」と評している。
それもそのはず、十番目の功業はゲリュオンが飼っている紅い牛を奪うための冒険なのだが、毒矢であっさりと倒されるためゲリュオンとの戦いがメインのお話ではなく、オケアノスの果てに浮かぶ彼らが住む島エリュテイアへの航海がメインのお話になっている。
その航海では太陽神ヘリオスから太陽が沈んだ後に東へ帰るために使われているという黄金の杯を借りて、大洋オケアノスを航海する。
そしてオケアノスの西の果てにあるアトラス山をショートカットするために怪力で山をかち割り、そこがジブラルタル海峡になったという伝説がある。
ジブラルタル海峡はこのエピソードによってヘラクレスの柱とも呼ばれており、ラテン語のモットー"Plus Ultra"(もっと先へ)に繋がっている。
因みにゲリュオンの原型は北イタリアの一部やシチリア島で崇拝されていたようであり神殿を持っている。
彼の存在はダンテの神曲にも影響を与えており、3つ胴体の代わりに人間・ヘビ・ライオンの3つの捕食者を組み合わせた怪物として登場している。
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